こんにちは、Supporters’ Supporterの安次富です。
FM那覇の番組「Supporters’ Web Academy みんなで描こう支援のミライ」の第25回放送が2026年5月6日に配信されました。
今回の放送では、ベーシックコース レッスン8「居場所における関係作りの技法」をテーマに、こども支援の居場所で育まれる関係性について学びました。
こども支援の現場では、こどもと支援者の関係だけでなく、こども同士の関係づくりも大切な支援のひとつです。
「友達と遊びたい」
「この人がいるから行きたい」
「特別に仲の良い人はいないけれど、ここにはいてもいい気がする」
そうした一つひとつの関係性が、こどもにとっての居場所の安心感につながっていきます。
今回の放送では、居場所における関係づくりの意味や、支援者ができる具体的な関わり方、こども同士のすれ違いや衝突への向き合い方について考えました。
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居場所は「関係の場」でもある
こども支援における居場所は、単に「こどもが過ごす場所」ではありません。そこには、支援者との関わり、同じ場にいるこども同士のやり取り、遊びや活動、本・おもちゃ・ゲームなどとの出会いがあります。
たとえば、こどもが居場所に通う理由はさまざまです。
- 会いたい人がいる
- 一緒に遊びたい友達がいる
- 好きなカードゲームができる
- 料理や工作など、楽しみにしている活動がある
- 特別に話す相手はいなくても、安心して過ごせる
このように、居場所は人との関係だけでなく、ものや活動との関係も含めて形づくられていきます。
その中でも今回のレッスンでは、特にこども同士の関係づくりに焦点を当てました。
こども同士の関係が、安心できる居場所をつくる
こどもにとって、「そこに受け入れてくれる関係性がある」という感覚はとても重要です。
「誰々と遊びたい」「またあの人に会いたい」
こうした気持ちは、こどもが居場所に足を運ぶ大きな理由になります。
一方で、必ずしも強い友情や親密な関係だけが必要なわけではありません。特別に仲の良い友達がいなくても、その場にいてもいいと思えること、なんとなく気を許せる関係があることも、こどもにとっては大切な安心につながります。
支援の現場では、「みんなと仲良くできているか」「輪に入れているか」が気になる場面もあります。しかし、こども一人ひとりにとって心地よい距離感は異なります。静かに一人で過ごすことが安心につながる子もいれば、誰かと一緒に遊ぶことで力を発揮する子もいます。
だからこそ支援者には、こどもの様子を丁寧に見ながら、その子に合った関係のあり方を尊重する姿勢が求められます。
関わりの中で、こどもは自分と相手を知っていく
こども同士の関わりは、安心感だけでなく、こどもの成長にもつながります。
人と関わる中で、こどもは少しずつ次のようなことを経験していきます。
- 自分はどんなふうに振る舞っているのか
- 相手はどう感じているのか
- どんな関わり方が心地よいのか
- 自分の気持ちをどう伝えればよいのか
- 相手と違う考えをどう受け止めるのか
また、周囲のこどもから影響を受けることもあります。友達が一生懸命取り組んでいる姿を見て、「自分もやってみよう」と思えたり、一人では難しいことも仲間となら挑戦できたりすることがあります。
そうした経験は、「自分にもできるかもしれない」という自信や、人と関わることで自分が変わっていけるという実感につながります。
こども同士の関係は、ときに楽しく、ときに難しいものです。しかし、その一つひとつの経験が、自己理解や他者理解、社会性の育ちを支えていきます。
支援者に大切なのは「押しつけない」こと
関係づくりを支援するときに大切なのは、支援者が「こうあるべき」という正解を押しつけないことです。たとえば、他のこどもと積極的に関わらない子を見ると、「馴染めていないのかな」「もっと輪に入った方がよいのでは」と心配になることがあります。
もちろん、孤立していないか、困っていないかを見守ることは大切です。しかし、その子にとっては、一人で静かに過ごす時間が安心につながっている場合もあります。
大切なのは、こどもが自分のペースで関係を築けるようにすることです。
支援者は、こどもの性格や特性、背景、その日の状態を丁寧に見ながら、無理のない形で関係の選択肢を広げていく必要があります。
また、良い関係性は一朝一夕にできるものではありません。あいさつをする、同じ空間で過ごす、近くで同じ遊びをする、短い会話を交わす。そうした小さな積み重ねの中で、こども同士の関係は少しずつ育っていきます。
小さな関係から、少しずつ広げていく
放送内では、こども同士の関係性を広げるための工夫として、小人数からスタートすることが紹介されました。
最初から大きな集団に入ることが難しいこどももいます。そのような場合には、まず支援者とこどもの1対1の関係を土台にし、そこから少人数の関わり、小さなグループへと少しずつ広げていくことが有効です。
ただし、大きな集団に入ること自体がゴールではありません。こどもによって、関わりたい人数や距離感には違いがあります。
支援者が目指すのは、こどもを無理に集団へ入れることではなく、その子が自分に合った関係性を見つけられるように、選択肢を広げることです。
たとえば、支援者には次のような関わりが考えられます。
- 共通の好きなものを持つこども同士を近くにする
- 「この遊び、一緒にやってみる?」と自然なきっかけをつくる
- トランプや鬼ごっこなど、参加しやすい遊びを始める
- こども同士の会話に入りすぎず、そばで見守る
- 必要なときだけ、さりげなく橋渡しをする
支援者は、こども同士を無理につなげるのではなく、関係が生まれやすい環境を整える存在です。そっと背中を押しながら、こども自身が関係を築いていく過程を支えていきます。
けんかやすれ違いも、関係づくりを学ぶ機会
こども同士が関わる中では、けんかやすれ違いが起きることもあります。支援者としては、トラブルが起きると「早く解決しなければ」と感じることがあるかもしれません。
しかし、こども同士の衝突は、必ずしも悪いことではありません。気持ちを伝えること、相手との違いに気づくこと、相手を受け止めること。そうした力を育てる大切な学びの機会でもあります。
もちろん、暴力や危険がある場合には、安全を守るための介入が必要です。その上で大切なのは、衝突をただ否定するのではなく、こどもが自分の気持ちを整理できるように関わることです。
たとえば、
- 「何がしたかったの?」
- 「本当はどう言いたかったの?」
- 「相手とはどうしたかったの?」
- 「今は話したくないなら、少し一緒にいようか」
このように、こどもの思いに耳を傾けながら、気持ちを整理する時間をつくることが大切です。
話すことだけがすべてではありません。言葉にするまでに時間が必要なこどももいます。沈黙を否定せず、隣にいることも、支援の一つです。
支援者自身も、関係づくりを学び続ける
動画後の振り返りでは、こどもとの距離感や支援者としての関わり方について、普段の現場ではなかなか言語化する機会が少ないという話もありました。
こども支援の現場では、その場その場で判断しながら関わる場面が多くあります。
一人の大人として関わるのか、支援者として関わるのか。
こどもと大人という関係を超えて、一人の人として向き合う場面もあります。だからこそ、日々の実践を振り返り、言葉にして学び合うことが大切です。
「この関わり方でよかったのか」
「この子にとって、どの距離感が安心につながるのか」
「次に同じ場面があったら、どう関わるか」
そうした問いをチームで共有することで、こどもにとっても支援者にとっても安心できる居場所づくりにつながっていきます。
◾ 動画のご案内
🎙【タイトル】
Supporters’ Web Academy みんなで描こう支援のミライ(2026年5月6日)
📌本放送では、こども支援の居場所における関係づくりについて、こども同士のつながり、支援者の見守り、衝突やすれ違いへの関わり方などを学びました。
Supporters’ Supporterでは、こども支援団体向けのコンサルティング、スーパーバイズ、研修のご相談も随時承っています。
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