こども支援におけるバウンダリーとは?ー支援者とこどもの安心を守る「境界線」の考え方【ラジオ出演報告】

バウンダリーをテーマにしたラジオ出演報告のアイキャッチイラスト

こんにちは、Supporters’ Supporterの安次富です。

FM那覇の番組「Supporters’ Web Academy みんなで描こう支援のミライ」の第23回放送が2026年4月1日に配信されました。

今回の放送では、エントリーコース レッスン8「こども支援におけるバウンダリーの重要性」をテーマに、こども支援の現場で欠かせない「境界線」の考え方について学びました。

バウンダリーとは、自分と他者を区別するための境界線のことです。

こども支援の現場では、こどもとの関係性を大切にするからこそ、「どこまで関わるべきか」「どこからは見守るべきか」「このお願いには応じてよいのか」と悩む場面が少なくありません。

今回の放送では、そうした日々の迷いを整理するために、バウンダリーの意味や種類、現場で意識したい関わり方について考えました。

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目次

こども支援における「バウンダリー」とは

バウンダリーとは、自分と他者を区別するための境界線です。これは身体的な距離だけでなく、気持ち、考え方、責任、役割などの心理的な領域にも関わります。

たとえば、支援の現場では次のような場面があります。

  • 「お菓子が足りないから、もっと出してほしい」
  • 「もっと自分だけを見てほしい」
  • 「この子のために、できる限り何でもしてあげたい」

一つひとつは小さな出来事に見えるかもしれません。

しかし、どこまで応じるのか、何を大切に判断するのかによって、こどもとの関係性や支援者自身の負担は大きく変わります。

だからこそ、バウンダリーは単に「距離を取る」ための考え方ではありません。お互いを大切にしながら、安心して関わり続けるための土台となるものです。


3つのバウンダリーを知る

放送内では、バウンダリーを大きく3つに分けて紹介していました。

  1. 身体のバウンダリー
    自分の体の安全や快適さを守るための境界線です。不快な接触を避けること、自分のものや空間を勝手に侵されないこと、疲労や危険から自分を守ることなどが含まれます。
  2. 感情・意思のバウンダリー
    自分の気持ちや考えを尊重するための境界線です。自分の思いを言葉にするかどうかを選ぶこと、他者と違う意見を持つこと、自分の行動を自分で決めることなどが含まれます。
  3. 責任のバウンダリー
    自分の責任と他者の責任を区別するための境界線です。支援者が何でも抱え込みすぎると疲弊につながります。一方で、本来こども自身が考えたり選んだりできることまで大人が代わりにやってしまうと、こどもの自立性や尊厳を損なうことにもつながります。

支援とは、すべてを背負うことではありません。必要な支えを届けながらも、相手の力を奪わない関わり方が大切です。


バウンダリーが曖昧になると何が起きるのか

こども支援の現場では、関係性を大切にするからこそ、支援者とこどもの距離が近くなりやすい特徴があります。

もちろん、安心できる関係性は支援においてとても重要です。しかし、その距離感が曖昧になると、さまざまな困りごとが生まれます。

支援者側では、たとえば次のようなことが起こります。

  • 「こどものために」という思いが強くなりすぎる
  • 必要以上に介入してしまう
  • こどもの要求を断れず、すべて受け入れてしまう

その結果、支援者自身が疲弊し、継続的な支援が難しくなることもあります。

一方で、こども側にも影響があります。バウンダリーが混乱すると、他者との適切な距離感がつかみにくくなり、支援者や他のこどもに過度に依存したり、反対に強く拒絶したりすることがあります。

また、「ここは本当に安心できる場所なのか」を確かめるような試し行動として表れることもあります。

バウンダリーの混乱は、誰か一人の問題ではありません。人と人との関係の中で起きるものだからこそ、現場全体で気づき、考えていくことが大切です。


「私は私、あなたはあなた」という視点

バウンダリーを考える上で大切なのが、「私は私、あなたはあなた」という視点です。

これは、相手を突き放す言葉ではありません。私もあなたも、それぞれ一人の人間として尊重される存在であるという考え方です。

支援の現場では、相手のためを思う気持ちが強いほど、相手の問題を自分の問題のように抱え込んでしまうことがあります。

また、支援者がよかれと思って関わりすぎることで、こども自身が考えたり選んだりする機会を奪ってしまうこともあります。

だからこそ、

  • これは自分が担うべきことなのか
  • これは相手が経験する必要のあることなのか
  • いま自分は、相手のためではなく自分の不安を優先していないか

と立ち止まる視点が必要です。

支援者が自分自身のバウンダリーを守る姿を見せることは、こどもにとっても健康な人間関係を学ぶ機会になります。


断ることも、こどもを大切にする関わり

支援の現場では、こどもの要求に応じられない場面もあります。そのときに大切なのは、ただ「だめ」と突き放すのではなく、こどもへの大切な気持ちを伝えながら、応じられない理由を丁寧に伝えることです。

たとえば、次のような伝え方が考えられます。

  • 「あなたのことは大切に思っているよ。でも、今日は一人だけ特別に送ることはできないんだ」
  • 「もっと遊びたい気持ちはわかるよ。でも、今はみんなで使う時間だから、ここまでにしようね」

このように、自分を主語にして伝える「I(アイ)メッセージ」は、相手を責めずに境界線を伝えるための有効な方法です。

断ることは、冷たいことではありません。むしろ、安心できる関係を続けるために必要な関わりです。


チームでバウンダリーを見直す

バウンダリーの難しさは、自分一人では気づきにくいことにもあります。「このくらいなら大丈夫」と思っていた関わりが、実は支援者の負担になっていたり、こどもの依存を強めていたりすることもあります。

だからこそ、現場では一人で抱え込まず、チームで相談することが大切です。

振り返りの場では、次のような問いが役立ちます。

  • この対応は適切だったのか
  • 次に同じ場面があったらどうするか
  • この子にとって、どの距離感が安心につながるのか
  • 支援者自身が無理をしすぎていないか

バウンダリーには、唯一の正解があるわけではありません。こどもの状況、支援者との関係性、場の環境によって、適切な関わり方は変わります。

だからこそ、対話と振り返りを通じて、その場に合った境界線を探していくことが大切です。


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🎙【タイトル】

Supporters’ Web Academy みんなで描こう支援のミライ(2026年4月1日)

📌本放送では、こども支援におけるバウンダリーの重要性について、支援者とこども双方の尊厳を守る視点から詳しく解説しています。 


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