こどもとの距離感に悩んだら──支援現場で考えるバウンダリーの重要性 【ラジオ出演報告】

居場所におけるバウンダリーの重要性をテーマにしたラジオ出演報告のアイキャッチイラスト

こんにちは、Supporters’ Supporterの安次富です。

FM那覇の番組「Supporters’ Web Academy みんなで描こう支援のミライ」の第24回放送が2026年4月15日に配信されました。

こども支援の現場で、支援者なら誰しも一度は悩むのが「こどもとの距離感」ではないでしょうか。近すぎれば依存を生み、遠すぎれば信頼関係が築けない。

この「バウンダリー(境界線)」という概念をどう捉え、現場でどう実践していくべきか。今回の放送では、支援におけるバウンダリーの難しさと重要性について深掘りしました。

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目次

「適度な距離」という正解のない難しさ

支援の現場では、しばしば「適度な距離感」が求められます。しかし、この 「適度」の基準は人によって異なり、非常に曖昧なものです。

友人関係であれば、距離感の感覚が合うからこそ仲良くなるという側面がありますが、支援の現場は異なります。

こどもにはそれぞれ「近づいてほしい距離」や「踏み込んでほしくない領域」があり、さらには学校復帰や他者との交流といった特定の目標に向かって関わる必要があるため、一般的な人付き合いとは異なる難しさが生じるのです。


バウンダリーは「固定された線」ではなく「動くもの」

放送の中で、バウンダリーは時間の経過や関係性の変化とともに変わっていく「動的なもの」であるという議論になりました。

信頼関係が深まれば、かつては遠かった距離が縮まり、許容できる範囲も広がっていきます。しかし、そこで注意が必要なのが「共依存」や「依存」の問題です。仲良くなることでバウンダリーが崩れ、支援者がやりすぎてしまったり、こどもが過度に依存してしまったりすることがあります。

この状態を、福里さんは「相撲」に例えて表現しました。

「力士が組み合って止まっている瞬間のように、お互いに力を入れ合って均衡を保っている。一歩間違えれば、ガラガラと状況が動いてしまう。」

この絶妙な均衡を保ち続けるためには、お互いの安全を守るための対話と、自分を客観視する視点が不可欠です。


「自分だけでは気づけない」からこそチームでの振り返りを

バウンダリーを適切に保つための大きな課題は、「当事者同士では、距離がズレていることに気づきにくい」という点です。お互いに心地よいと思って関わっていても、客観的に見れば介入しすぎていたり、周囲のスタッフに負荷がかかっていたりすることもあります。

だからこそ、以下のプロセスが重要だと語られました。

  • 内省(セルフチェック): 「今の関わりは自分のエゴではないか?」と常に自問自答すること。
  • チームでの振り返り: 第三者の視点を入れ、スタッフ間で「あの関わりは適切だったか」を言語化して共有すること。

こうした振り返りの時間をしっかり持つことが、結果として支援の質の向上や、支援者のバーンアウト(燃え尽き)防止にもつながるのです。


おわりに

「バウンダリー」は理論として理解していても、現場で100%実践することは非常に難しい概念です。しかし、この考え方を理念として持っておくこと自体に意味があります。

支援者はこどもを助けたいという情熱を持つ一方で、「自分と相手は別の人間である」という境界線 を意識し続けなければなりません。

お互いを尊重し、安全な場所を模索し続けること。その泥臭い対話の積み重ねこそが、こどもたちが安心して過ごせる「居場所」を支える土台になるのだと改めて感じた回でした。


◾ 動画のご案内

🎙【タイトル】

Supporters’ Web Academy みんなで描こう支援のミライ(2026年4月15日)

📌今回の放送は、支援現場での「距離感のモヤモヤ」を言語化し、支援者自身の心とこどもの自立を守るためのバウンダリーについて再考する回でした。


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