— “話さない時間”も信頼関係になる関わり方 —
こどもと関わる中で、「沈黙が気まずい」「何か話さなきゃと思ってしまう」そんな経験はありませんか。
こども支援の現場では、“会話が続くこと”よりも、「安心して一緒にいられること」の方が大切な場面が多くあります。
この記事では、よくある場面をもとに、沈黙を怖がらずに関われる考え方と、すぐ使える関わり方を紹介します。
よくある場面:沈黙が気まずい
ある日の居場所。
こどもが横に座っているけれど、特に話しかけてくる様子はありません。支援者は「何か話した方がいいかな」と思い、「学校どう?」「最近どう?」と声をかけます。
しかし返ってくるのは、「別に」「普通」といった短い言葉だけ。会話は続かず、また沈黙に。
「このまま何も話さないのはよくない気がする…」そう感じて、さらに話題を探してしまいます。
こうした場面での困りごとは、主に次の3つです。
- 沈黙が気まずく感じてしまう
- 何か話さないといけない気がする
- 話しかけるほど空回りしてしまう
ついやりがちな関わり方:沈黙を埋めようとする
この場面で多いのが、「沈黙を埋めようとする関わり」です。
たとえば、
- 話題を次々に変える
- 質問を重ねる
- 無理に盛り上げようとする
これらは一見よさそうに見えますが、こどもにとっては「話さなきゃいけない空気」になります。
その結果、
- プレッシャーを感じる
- 余計に話しづらくなる
- 距離が縮まらない
という状態になりやすいのです。
ここで大切なのは、沈黙=悪いものではないと捉え直すことです。
距離が縮まる関わり方:沈黙を“共有する”
では、どうすればよいのでしょうか。
ポイントはシンプルです。
👉 沈黙を「一緒に過ごしている時間」として受け入れること。
無理に会話を続けるのではなく、「同じ空間にいること」そのものを大事にします。
たとえば、
- 横で同じものを見る
- 同じ遊びに軽く関わる
- 静かな時間をそのまま過ごす
こうした時間は、こどもにとって「何も話さなくてもいい場所」=安心できる場になります。

すぐ使える:沈黙の中での関わり方の型
沈黙の中で使いやすい関わり方を紹介します。
まず大切なのは、“話しかける”ではなく“存在を伝える”ことです。
1.観察をそのまま言葉にする
「絵を描いているんだね」
「静かに過ごしてるね」
👉 評価や質問を含まない一言が安心感につながります
2. 余白のある一言を置く
「ここ、ゆっくりできるよね」
「この時間、けっこう好きなんだよね」
👉 答えを求めない言葉で、関わりの入口をつくる
3. 選択肢を渡す
「もうちょっと絵を描く?それとも一緒に話す?」
👉 「話さないこともOK」と伝えることで安心感が生まれる
4. 無理に続けない
一言かけたら、それ以上は追わない
👉 “間”を残すこと自体が関係づくりになる

具体的な関わりの流れ
実際の流れをイメージすると、次のようになります。
まず、こどもの近くで同じ空間にいる。少し様子を見て、観察した様子を伝える。
返事がなければ、そのままでOK。
少し間を置いて、「静かに過ごすのもいいよね」と添える。
それでも会話が生まれなければ、そのまま一緒にいること自体が関わりになります。

明日からの一歩
明日から一つだけ意識するなら、
👉 沈黙を“埋める”のではなく、“一緒に置いておく”
これだけで、関わり方は大きく変わります。
おわりに
こどもとの関係づくりは、「たくさん話すこと」で生まれるものではありません。むしろ、「話さなくても大丈夫」と感じられる時間が、信頼関係の土台になります。
沈黙を怖がらなくていい。それだけで、こどもにとっての安心はぐっと増えます。
ぜひ、日々の関わりの中で試してみてください。
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