2026年2月19日、認定NPO法人ACEさんと一般社団法人Supporters’ Supporterの共催イベントとして、「子どもオンブズってどんなところ?〜名古屋市から学ぶ、子どもの権利の救済機関について〜」を開催しました。
近年、こども基本法の制定や自治体での子どもの権利条例の広がりを背景に、子どもの権利を守る仕組みとしての「子どもオンブズ制度」への関心も高まっています。
そういった背景から、本イベントには、沖縄県内の支援者や行政関係者、教育関係者など、多様な立場の方にご参加いただきました。


子どもオンブズとは?
「子どもオンブズ(子どもの権利救済機関)」とは、子どもの権利が守られているかを行政から独立した立場で監視し、必要に応じて調査や勧告を行う機関です。
主な役割としては、
- 子どもの権利が守られているかの監視(モニタリング)
- 子どもの権利を守る制度改善の提案
- 子どもからの相談・苦情への対応
- 子どもの権利に関する普及啓発
などが挙げられます。
つまり、単なる相談窓口ではなく、子どもの声を社会や制度につなげる「独立した人権機関」としての役割を担っています。
名古屋市の子どもオンブズ「なごもっか」の取り組み
今回の基調講演では、名古屋市の子どもオンブズ制度に関わる名古屋市 子どもの権利擁護委員 間宮静香さんから、制度の具体的な取り組みを紹介していただきました。
名古屋市では2019年に「名古屋市子どもの権利擁護委員条例」が制定されています。
この制度では、
- 相談
- 申立てや発意による調査
- 勧告・要請
- 子どもの権利の普及啓発
といった機能を通して、子どもの権利を守る仕組みが整えられています。
また、相談窓口として設置されている「なごもっか」では、
- 弁護士
- 大学教員
- 社会福祉士
- 公認心理師
などの専門職がチームを組み、子どもからの相談に対応しています。
子どもの声から制度改善へ
講演の中で印象的だったのは、相談を「個別対応」で終わらせない仕組みです。
なごもっかでは、
- 子どもや保護者から相談を受ける
- 必要に応じて調査や調整を行う
- 制度的な課題を整理する
- 勧告や制度改善の提案につなげる
という流れで活動が行われています。
さらに特徴的なのが、「発意」という仕組みです。これは、正式な申立てがなくても、権利侵害の可能性があると判断された場合に、擁護委員が自ら調査を開始できる制度です。
この仕組みによって、
- 学校のルール
- 入試での合理的配慮
- 教員の対応
など、制度そのものに関わる課題にもアプローチすることが可能になります。
沖縄での制度を考える時間
講演の後には、沖縄県で検討されている子どもオンブズ制度について、参加者同士で意見交換を行いました。
グループディスカッションでは、
- 子どもが相談しやすい仕組みとは何か
- 学校や行政との関係性
- 独立性をどう担保するか
など、さまざまな視点から意見が出されました。
制度そのものの理解だけでなく、現場の実感に基づいた議論が生まれた時間となりました。

最後に
子どもの権利を守るための制度は、条例や仕組みを作るだけでは機能しません。
今回のイベントを通して改めて見えてきたのは、
- 子どもの声を丁寧に聴くこと
- その声を社会や制度に反映させる仕組みを持つこと
- 支援者同士がつながり、学び続けること
の重要性でした。
講演の最後に紹介された言葉が印象に残っています。「子どもに」ではなく「子どもと」。
子どもの権利を守る取り組みは、大人が子どものために何かをしてあげるというものではなく、子どもの声を社会の中に位置づけていく営みなのだと思います。
今回の学びが、沖縄での子どもオンブズ制度の議論や、日々の子ども支援の現場につながっていくことを願っています。
Supporters’ Supporterでは、今後も子どもの権利や居場所づくりに関する学びの場を継続して発信していきます。
Supporters’ Supporterでは、こども支援団体向けのコンサルティング、スーパーバイズ、研修のご相談も随時承っています。
ご関心のある方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
こども支援オンライン学習プラットフォームSupporters‘ Web Academyは、こども支援者に無料で提供しています。
この取組は、多くの方のご寄付によって支えられています。学びたい支援者が安心して学び続けられる環境づくりに、ぜひご協力ください。
※Supporters’ Web Academyへのご寄付は、みらいファンド沖縄にて設置した基金を通じて、税制優遇の対象となります。
https://congrant.com/project/mfo/13441/form/step1?type=monthly


