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背景と調査の目的
全国的に進んでいる「部活動の地域移行」。その背景には、教員の働き方改革の推進と、こどもたちに多様な活動機会を保障する必要性があります。
那覇市においても、その重要性は議論し始められ、Supporters’ Supporterでは、一般社団法人琉球フィルハーモニックさんと協働で「令和6年度なはSDGs推進助成事業」を受託し、その一環として、中学校吹奏楽部を中心とした音楽系部活動に焦点を当てた調査を行いました。学校・地域それぞれの立場における課題やニーズを整理し、次年度以降の議論につなげることを目的に学校の管理者や部活動顧問、音楽関連団体の代表者、地域の音楽指導者、地域団体の構成員、地域の方など約50名にヒアリングやアンケートを行いました。

Supporters’ Supporterが担った役割
私たちSupporters’ Supporterは、本事業において以下を担いました。
- 調査設計と実施:学校や地域団体に合わせたアンケート票・ヒアリングガイドを作成。
- データ整理と一次分析:ヒト・モノ・カネの観点から課題を体系化。
- 評価設計の基盤づくり:教員負担軽減やこどもの満足度を測る指標を提案。
- 合意形成の支援:それぞれの立場が感じる「期待」と「不安」を見える化。
単に調査を行うだけでなく、次年度以降の実証実験や制度設計に活かせる資料を整えたことが特徴です。
教員の声 ― 「負担は減らしたいが、生徒との関わりは残したい」
教員からは「地域移行は歓迎するが、具体的な設計が見えない」という声が多く寄せられました。
ある顧問教員は、
「学校業務をこなしながらの指導は負担が大きい。地域で専門的にご指導してくれる方がいたら、こどもたちにとっても良いことだと思う」
と語る一方で、
「自分自身も部活動を通じて生徒と深く関わってきた。地域移行が進むと、その時間が減ってしまい、生徒理解が浅くなるのではと不安だ」
という声もありました。
さらに音楽系部活動に特有の課題として、複数のパートに分かれた指導の難しさや、大型楽器の運搬・保管の負担が教員に重くのしかかっていることも指摘されています。
地域団体の声 ― 「応援したいが、責任の所在が不明」
地域団体からは「部活動の地域移行を応援したい」という声が100%でした。しかし同時に、
「事故やトラブルが発生した場合の責任の所在が不明確」
「未成年者との関わりに伴うリスクへの備えが不十分」
といった不安も上がりました。
特に音楽系部活動では、
- 楽器や備品の安全な保管場所が不足している
- 公民館などの施設を使う場合も施錠や防犯管理の責任分担が曖昧
- 打楽器や大型楽器の移動に伴う負担や事故リスク
といった課題があり、地域移行に向けては単なる人材配置だけではなく、施設や物品の管理体制を整える必要性が強調されました。
保護者や指導者の声 ― 「専門性と安心感をどう両立するか」
音楽指導者からは、
「吹奏楽はパートが多く、複数人の指導者がいなければ全員を十分にカバーできない。特に金管・木管・打楽器ごとに専門性が異なるため、一人の力では限界がある」
という声が聞かれました。
また、保護者からは、
「プロフェッショナルな指導を受けられるのは大きなメリット。ただし、楽器の修繕費や消耗品の負担が誰にかかるのか明確にしてほしい」
という意見が多く寄せられました。
音楽系部活動では、指導の専門性の確保と高額な楽器維持コストの分担が大きな壁になっていることが浮き彫りとなりました。
まとめ ― 部活動の未来を「ともにつくる」ために
今回の調査を通じて見えてきたのは、次の3点です。
- 教員の声:負担軽減を望む一方で、生徒との関わりを失う不安もある。
- 地域の声:応援したい気持ちは強いが、責任の所在や安全面に懸念がある。
- 保護者・指導者の声:専門的指導への期待と、費用・資源の負担への不安が共存している。
吹奏楽部を中心とした音楽系部活動は、特に移行が難しい分野であることも浮き彫りになりました。しかし、その難しさの中でも、「こどもたちの学びと成長を守りたい」という学校・地域・保護者の思いが共通していることも確認できました。
この調査結果は、本年度から始まった「若狭公民館発 吹奏楽を通じた地域クラブモデルづくりプロジェクト」につながっています。
この事業では、昨年度の調査で整理した「ヒト・モノ・カネ」の課題を踏まえ、若狭公民館を拠点に2中学校の共同部活動に当たるような地域クラブを立ち上げ、地域で支える仕組みづくりが進められています。
プロジェクトでは、
- 中学生15名以上の参加
- 年間2回以上の地域イベント出演
- 満足度80%以上の達成
を目標に掲げ、地域資源を活かした持続可能なクラブモデルの構築を目指しています。
このように、昨年度の調査は「課題を整理する段階」にとどまりましたが、その成果が翌年度の実践につながり、いま那覇市の現場で具体的な取り組みが動き始めています。
Supporters’ Supporterは、調査から実践へ、そしてモデル化へとつながるプロセスに引き続き伴走し、学校と地域がともにこどもの活動を支えられる未来を描いていきます。
Supporters’ Supporterでは、こども支援団体向けのコンサルティング、スーパーバイズ、研修のご相談も随時承っています。
ご関心のある方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
こども支援オンライン学習プラットフォームSupporters‘ Web Academyは、こども支援者に無料で提供しています。
この取組は、多くの方のご寄付によって支えられています。学びたい支援者が安心して学び続けられる環境づくりに、ぜひご協力ください。
※Supporters’ Web Academyへのご寄付は、みらいファンド沖縄にて設置した基金を通じて、税制優遇の対象となります。
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