安心できる支援は情報の扱いから始まる──現場が語る本当の難しさ【ラジオ出演報告】

こども支援における個人情報の扱いと情報共有のバランスをテーマにしたラジオ出演報告のアイキャッチイラスト

こんにちは、Supporters’ Supporterの安次富です。

FM那覇の番組「Supporters’ Web Academy みんなで描こう支援のミライ」の第14回放送が2025年11月19日に配信されました。

エントリーコースのレッスン9では、「こども支援における個人情報の取り扱い」というタイトルで、こども支援の現場における個人情報取り扱いの基礎的な部分について学びました。前半の動画視聴に続き、後半では特に、情報を“守る”ことと“支援を進めるために共有する”ことのバランスについて、リアルな実践例から考察しています。

前半部分の動画はこちらから→

記事内で登場する研修動画はこちらから→

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目次

こどもから託された「秘密」をどう扱うか

最初の話題は、こどもが「これは言わないでほしい」と話してくれた内容を、どこまで共有してよいかという現場の葛藤でした。

ももやまこども食堂では、こどもから秘密を託されたとき、まず本人に「なぜ共有したいのか」を丁寧に説明し、了承を得られるか確認するという姿勢を大事にしているそうです。それでも、多くのこどもが「秘密にしてほしい」と答えるため、支援上必要な場合はその理由を言語化し、“勝手に共有しない”という関係性の尊重が欠かせないと語られました。

一方で、虐待や緊急案件など 「通告義務」があるケースでは迷わず動く必要があることも改めて確認されました。この“例外”を理解したうえで、日常のグレーゾーンにどう向き合うかが支援者の腕の見せどころとも言えます。


情報を守るだけでは支援が止まる

後半の議論では、こども本人だけでなく、保護者への事前説明と同意が重要だという話に広がりました。支援が進むと、どうしても関係機関との情報共有が必要になるため、「どんな情報を、どんな目的で共有する可能性があるのか」をあらかじめ伝えておくことが、後の信頼関係につながるという視点です。

しかし、行政機関は個人情報保護の観点から情報提供が難しい場合も多く、守ることが優先されるあまり、支援そのものが動けなくなるという矛盾も起こります。その壁を越えるために、要対協(要保護児童対策地域協議会)など、法的に情報共有が認められる枠組みを活用することが実践的な方法として紹介されました。

支援者に求められるのは、「守る」ことと「つなぐ」ことの両方を成立させる判断力だと言えるでしょう。


SNS時代の“写真問題”

今回の収録時にはちょうど「運動会の写真をSNSに投稿するリスク」がニュースで取り上げられており、話題は自然と写真の扱いへと発展しました。

こども支援団体にとって、活動の見える化や寄付者・行政への報告のためにPRは欠かせない一方で、こどもが特定できる写真を不用意に出すと大きなトラブルにつながる可能性があります。

ももやまこども食堂では、顔や体が映らない構図の写真を選ぶ名前の呼び方で性別が推測できる表現を避けるSNS掲載可否をこどもごとにリスト化して管理するといった工夫を日常的に行っているそうです。

PRと情報保護は本来別々の話に見えますが、現場ではむしろ 「切り離せないセット」。掲載できる写真の範囲、見せてよい相手、扱い方など、団体としての方針・ルールを整えておくことが安全と信頼につながるというメッセージが印象的でした。


おわりに

今回の放送では、個人情報の取り扱いというテーマを、制度論としてではなく、支援者が日々直面する“リアルな悩み”として立体的に捉えることができました。

守るべき情報を大切にすることは当然として、その一方で、支援が止まらないための情報共有も同じくらい重要です。こども・保護者・支援者それぞれが安心して関われるように、丁寧な対話と運用の工夫が求められることを改めて感じさせられる回でした。


◾ 動画のご案内

🎙【タイトル】

Supporters’ Web Academy みんなで描こう支援のミライ(2025年11月19日)

📌今回の放送は、こどもの安心と支援の継続を両立するために、個人情報を“守る”ことと“共有する”ことのバランスを現場視点で深く考えた回でした。


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