離島の現場で感じた、支援を続けることのむずかしさ

離島で感じた支援の課題に関する記事のアイキャッチイラスト

Supporters’ Supporterの安次富です。
先日、いくつかの事業のスーパーバイザーとして、沖縄県のある離島に行ってきました。
青い海と空に囲まれた、のどかで美しい、日本屈指の観光名所。でも、支援の現場に足を踏み入れてみると、裏にある、離島ならではの課題が浮かび上がってきました。
今回お伺いした事業では、現地訪問以外でも週1回程度オンラインでのサポートもしており、現地訪問では、現地の支援者と一緒に、ケース相談を中心に取り組みました。
Supporters’ Supporterでは、単に「どう支援するか」を考えるだけでなく、「これまでと違う視点でケースを見てみる」「支援者がどんな背景を抱えているのかに目を向ける」ことも意識して関わっています。関係している自治体や支援団体の方々とも協力しながら、支援方針を整理し、具体的な対応を一緒に考える時間となりました。

目次

限られた環境、限られた人材

離島では、そもそも支援者の数自体が少なく、ひとりでいくつもの役割を担わなければならないことが日常です。
相談支援、家庭訪問、会議の調整、事務作業……。やるべきことは多いけれど、時間も人も限られている。結果として、支援者が「学ぶ時間」や「立ち止まって考える時間」がほとんど取れない現状があります。
そしてもう一つの課題が、「支援者の育成の難しさ」。
新しく人が入っても、育成の仕組みや伴走の体制が整っていないと、不安を抱えたまま現場に出ることになり、うまくいかない経験が重なると、だんだん自信を失い、現場から離れてしまう。そうした悪循環を何度も見てきました。

支援が「止まる」理由

そして、離島で意外とよくあるのが、複数の支援機関がひとつの家庭を支援しているケース。地理的にまとまっている分、意外と多くの機関が一つのケースの支援に関わっているが、それぞれが真剣に向き合っていても、当事者の状況がなかなか良くならない。こうした“膠着状態”には、いくつかの理由があります。

ひとつは、「連携の難しさ」。
機関同士の情報共有が不十分だったり、誰が主導で動くのかが曖昧だったりすると、チームとしての支援がかえってちぐはぐになってしまうことがあります。

もうひとつは、「打ち手の少なさ」。
なにかのアクションをしようと思っても、利用できる施設や制度が限られていたり、次に託せる機関がないことで、現場で「これ以上できることがない」という感覚に陥る場面もあります。支援者が「この一手しかない」と感じたとき、選択肢の少なさが支援の可能性を狭めてしまうのです。

そして、「支援者自身の疲弊」。
限られた人間関係の中で、当事者との距離感を調整しながら支援するのは大きなストレスになります。「知り合いの知り合い」という関係性があることで、支援者が本音で動けずに葛藤を抱えることや、当事者の背景がわかるからこそ、当事者が「怠けている」と、単にきつく当たってしまうこともあります。誰にも相談できず、ひとりで抱え込んでしまう—— そんな状況が長く続けば、支援そのものが止まってしまいます。

このように、離島地域では、熱意のある方々はたくさんいるが、それが実を結ばない現実があります。

Supporters’ Supporterとしてできること

私たちSupporters’ Supporterでは、そうした現場に対して、以下のようなサポートを行っています:

  • スーパーバイズの提供(ケース相談・対応支援)
  • チームの動きや役割を可視化し、自治体や関係機関との連携のサポート
  • 離島やへき地でも支援者が学び続けられるオンライン研修・教材の提供
  • 支援者の経験やフェーズに応じた育成体制づくりの支援

支援者が育ち、定着し、支援の現場で自信をもって判断できるようになること。そして、孤立せずに相談できる「つながり」があること。それが、当事者にとっての支援が「動き出す」ための、土台になると私たちは考えています。

最後に:目指す未来

どんな地域に住んでいても、必要な支援がちゃんと届く社会。そして、支援する人たち自身も、安心して学び続けられる社会。
「支える人も笑顔の社会を」
その思いを胸に、私たちはこれからも「届きにくい場所」でも支援が届くように、現場に寄り添い続けていきたいと思います。

Supporters’ Supporterでは、こども支援団体向けのコンサルティング、スーパーバイズ、研修のご相談も随時承っています。
ご関心のある方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

こども支援オンライン学習プラットフォームSupporters‘ Web Academyは、こども支援者に無料で提供しています。
この取組は、多くの方のご寄付によって支えられています。学びたい支援者が安心して学び続けられる環境づくりに、ぜひご協力ください。
※Supporters’ Web Academyへのご寄付は、みらいファンド沖縄にて設置した基金を通じて、税制優遇の対象となります。

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